SHINKOKINSHU(NEW COLLECTION OF ANCIENT AND MODERN)新古今(和歌)集 |
Miner, Earl. Introduction
to Japanese Court Poetry. (Stanford, 1968)
花は散り、
その色となく
ながむれば、
むなしき空に
春雨ぞ降る
暮れがたき
夏のひぐらし
ながむれば、
そのこととなく
ものぞ悲しき
玉の緒よ
絶えなば絶えね
ながらへば、
忍ぶることの
弱りもぞする
思ふには
忍ぶることぞ
負けにける、
逢ふにしかへば
さもあらばあれ
村雨の
露もまだ干ぬ
槙の葉に
霧立ちのぼる
秋の夕暮
さ夜千鳥
声こそ近く
なるみ潟
かたぶく月に
潮や満つらん
寂しさは
その色としも
なかりけり、
槙立つ山の
秋の夕暮
心なき
身みのあはれは
知られけり、
鴫立つ沢の
秋の夕暮
見わたせば
花も紅葉も
なかりけり、
浦のとまやの
秋の夕暮
まれに来る
夜半も悲しき
松風を
絶えずや苔の
下に聞くらん
春の夜の
夢の浮橋
とだえして、
峰に別るる
横雲の空
見わたせば
山もとかすむ
水無瀬川、
夕べは秋と
なに思ひけん